◇…国内でデジタル信号処理の教育について発表交換したり,研究,応用 開発の動向,成果交流を含めて,第一線の研究者,教育者が意見交換を行う第 一回「DSPS教育者会議」がこのほど都内のホテルで開催された.主催は西原明 法東京工業大学教育工学開発センター教授が発起人代表を務める「デジタル信 号処理の教育を考える会」.後援は日本テキサス・インスツルメンツ.第一回 会議にはデジタル信号処理関係の研究者,教育者ら85人が全国から出席した.

◇…DSPS教育者会議は,世界的に応用分野の広がりをみせるデジタル信号 処理技術および応用に関して,日本の技術基盤を強化していく体制作りに貢献 していく目的でスタートした.これまで大学での研究が重視されてきたが,導 会議では次世代を担う研究者(学生)を育てるため,デジタル信号処理技術の教 育内容や教育方法などを検討していく.

◇…同会議を後援する日本TIの生駒俊明社長は「アジア,欧州地域でも同 様の会議が行われており,日本では初めての開催となった.DSPの用途は無線/ 有線通信,HDD,モーター制御など多岐にわたる.DSPおよびアナログLSI需要 はほかの半導体に比べ成長率も高い.現在半導体需要はパソコンがけん引して いるが,今後はコミュニケーションドリブンとなり,DSPとアナログLSIはます ます重要となる.日本はDSPの利用技術が出遅れているが,その要因の一つは 教育の取り組みが弱いこと」と指摘.DSPのトップメーカーである日本TIは, 同会議を全面的に支援していく考えだ.


電波新聞 1998年3月31日より
Akinori Nishihara, aki@ss.titech.ac.jp